2010年8月30日月曜日

白化個体その後


前にブログに掲載しましたウシガエルの白化個体の幼生ですが写真のようにごく普通のおたまじゃくし、あるいは変態個体になっていました。岡崎市にある基礎生物学研究所 バイオリソース研究室(併任)総合研究大学院大学 生命科学研究科・基礎生物学専攻成瀬 清先生に連絡しましたら、下記の返事がきましたのでご紹介します。



成瀬先生へ報告
ウシガエルの幼生についてお世話になっています。
先日のウシガエルの幼生ですが、正常個体といっしょに小さな池で飼育してい ましたら、
写真のように気がついたときには1匹は変態、1匹はおたまじゃくしのままで
正常色?になって観察されました。
どちらが白化個体であったか分かりません。
池にはその2個体しか入れてませんので、白化個体は正常色に変わったのでは ないかと思います。
以上報告致します。

返事

 メダカでも胚の時は白化その後正常という系統がいます。これは酵素の発現部位調節部位に変異があって発現が遅れるためです。                                           
                                                
以前に成瀬先生からのコメント
ブログの写真を拝見しました。目は少し薄いようですが黒い色素がありますね。体表は2色ですから黄色い色素細胞にも影響が出ていますね。黒い点があるのは色素細胞の分化の過程で目と同じようなシステムが点の部分だけでているのではと思います。もしも多くのアルビノ原因遺伝子であるチロシナーゼの機能欠損ならば目もふくめて白化するはずですのでチロシナーゼの単純な機能欠損では ないと思 います。白化は少なくとも4つ以上の原因遺伝子がありますので、なかなか表現型からはどのような遺伝子の欠損かはわからないです。白化個体は自然界ではほとんど生き残りませんので、カエルにまで育てたい場合は家庭で単独飼育して変態させると言うことですがウシガエル は2年く らいかかると思うので、なかなか難しいかもしれません。

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