2012年12月30日日曜日

大正堰のコハクチョウ


守る会の会員のKさんからコハクチョウの報告が12月13日ありましたので、その後の様子を観察しようと大正堰に行ってきました。12月13日、午前8時~のときと同じ、幼鳥(若鳥)3羽、成鳥2羽が水底に生育していると思われる水生植物を貪り食んでいました。白いコウモリより
 
幼鳥2羽。まだ羽毛が黒ずんでいて,成鳥(純白)とは違っています。
水底から生えていると思われる水生植物(枯れている?)を食べていました。

このように体半分を水中に突っ込み、水生植物を嘴に挟んで引き抜き、引きちぎっているようでした。

2012年12月18日火曜日

17年ぶりにナベヅルが飛来

12月7日(金)いすみ市岬町の椎木堰付近の田んぼ(筆者の家から300mくらい)に1羽のナベヅルが飛来していました。その場所に偶然いたのにも拘らず、気が付かなった私ですが、観察に来られていた野鳥の研究、観察者布留川先生に偶然出会い、ほら!ここにナベヅルが来ていますよ,と教えていただきました。早速家に戻り、カメラを担いで、100メートルくらいの距離から観察、撮影をしました。鶴は田んぼの二番穂を食欲旺盛に啄んでいました。ナベヅルの前回の飛来記録は1995年の冬でした。そのときは4羽が飛来しいます。そして翌年の3月ごろまで、この場所の道を挟んだ田んぼに見られ、椎木堰を塒にしていました。なんと17年ぶりということになります。
ナベヅル、2羽の アオサギ、サギ(ダイサギ?)と仲良く過ごしていました(カラスもこの付近にいました)。田んぼには二番穂がびっしり残っています。ナベヅルですが、この2日後以降は見られず、他の渡来地に飛んで行ってしまったうようです。
ナベヅル(鍋鶴Grus monacha)の頭部は羽毛が無く、赤い色をしています。種小名 monacha はラテン語で「修道士の」の意で、頭部から頸部にかけての羽衣が修道士がかぶっていたフードのように見えることから付けた学名です。 *鶴の観察、撮影で大事なことは、接近しすぎないことが大切で、田んぼの畔道には決して入らないことだそうです。と布留川先生は話していました。                           白いコウモリより

2012年12月17日月曜日

秋の観察会

                                     
12月8日(土曜日)秋の観察会(冬に入ってしまいましたが) 土屋喜久雄さん、教育委員会の峯島さんを講師として、臼井神社、眺洋寺、清澄寺)の植物と歴史について解説していただきながら初冬のひとときを過ごしました。

臼井神社付近のクスの大木に寄生するオオバヤドリギ。寄生部位より上部の枝が枯死していた。
眺洋寺の庭園。こじんまりした境内だが、素敵な庭園である。以前、樹木調査をされた手塚さんによると、このお寺に接する山には500年くらいの椎の木が生えていたそうである。お寺の歴史と重なる。

急傾斜の石段を息を弾ませながら上がって行くと、お寺の名前のとおり、眺洋寺から太平洋が見える。
                            
清水寺。坂東三十三観音霊場の三十二番札所で、鎌倉中期の木造十一面観音像が安置されている。お寺の中は巨大な絵馬沢山飾られていた。

確かセンリョウという植物名だと思う。前面には赤熟したもの、左後ろには黄熟したものが植えられていた。

           
清澄寺の遊歩道で見られたアリドオシ。アリしか通れないところから付けられた名前だとか。他にも説がある。       
                            
テイショソウ(禎祥草)の花と葉。非常に珍しい植物だそうだ。今の季節、めずらしく、花を付けていたが、ほとんどが、果実になっていた。
                          
清澄寺の遊歩道の林床には、結構ヤブランがあり、まだ、黒い果実ではなく、緑色の実を付けた株が多く見られた。
                             
やはり清澄寺の遊歩道で見られたカゴノキ。名前の由来は幹の樹皮の模様が籠の模様になっているとかで付けられたようである。


2012年12月16日日曜日

浅間堰にミコアイサがやって来た

 12月15日、雨が降っている最中、浅間堰のところを通りましたら一際目立つほぼ純白の水鳥が水面を泳いだり、潜ったりしていました。50メートル先位にいましたが、決してこちらには来てくれませんでした。今までは気に留めていなかったか、又は、出会ったことがなかったか、私ははじめて見た次第です。早速コンパクトカメラを取り出して、車内から、望遠を最大(30倍)にして、撮影しました。更にトリミングをして下記に貼り付けしました。少し不鮮明ですが、ご覧ください。ミコアイサのミコはオスの羽衣が巫女の白装束のように見えることに由来するそうです。模様がパンダに似ているようで、パンダガモとか言われています。ユーラシア大陸のタイガで繁殖、冬にやってくる渡り鳥だそうです。
 
0012

0011
 
この鳥について布留川先生にお聞きしたところ、下記のようなコメントをしていただきました。
 
とてもきれいなミコアイサです。白いのは雄で,頬が白く頭が茶色のは雌です。0012では3羽の雌が写っています。0011の手前に写っているのはマガモの雌雄です。ミコアイサはたまに夷隅にも現れるのですが,見るのは雌か若鳥?ばかりで,このような美しい雄を私は夷隅で見たことがありません。しばらく居て欲しいです。布留川毅
                                                                    白いコウモリより
 

2012年12月3日月曜日

コハクチョウの観察

今年もコハクチョウが飛来してきました。上記写真2点が11月27日15:00に布施の坂を下った田んぼ東側にいました。2羽でした。1羽は若鳥のようです。いつもの田んぼとは反対側です。

12月3日、今日の16:15に布施の同じく県道のの西側田んぼにいたコハクチョウです。分かりにくいですが15羽です。布留川さんの情報と同じです。

11月27日から12月3日の間に増えたようです。今日は夕方ちょうど塒に帰る寸前でした。皆首を上げ飛び立つ準備をしています。一声泣いて一斉に飛び立ち塒の岬ダム方向へ向け飛び立ちました。

毎日ここを通るわけでないので見たときはなるべく記録を取るようにしていきます。但し、この坂を下りると警察のネズミ取りもありますので速度に注意してください。

ブログオーナー

2012年9月16日日曜日

太東ビーチの側溝に38匹の子ガメたち

本日9月16日8時半ごろ、タニーサーフショップの中新さんから、太東ビーチのU字溝にウミガメの赤ちゃんが沢山いて、サーファーが、救出しましたという電話が大藪に入りました。早速、現地に出かけてその様子を見てきました。


子ガメたちが落ちていたU字溝。鉄やコンクリートの重いU字溝の蓋を取り除き、子ガメたちは救出されました。サーファーの皆さんによると、まだ救出されない子ガメがいるのではないかと言ってました。私も格子状の蓋のされた中が見える側溝を探しましたが、発見できませんでした。どうしてこんな側溝にと思いますが、1つには、前方に見える棒杭あたりの産卵巣(確認されていません)からふ化脱出した子ガメたちが、陸側にある街頭を目指したが、フェンスにぶつかり、そのため横に移動し、今度は道路を横切って、次々にこの溝に落ちたのではないかと考えられます。

救出されたアカウミガメの子ガメたちは全部で38匹いました。

子ガメ救出後の記念撮影。前列左が第一発見者の中谷恵子さん。下の写真前列右が筆者。           

救出作戦にはこどもたちも参加していました。中谷さんの娘さん(梨央ちゃん)。

容器に入れた子ガメを放流するのに、ロングボードを使用することにしました。画期的で歴史に残ることだと思うのですが。第一発見者のご主人の中谷さんとジュニア(波留君)

大部分の子ガメはサーフボードに乗せて、沖の方で放流させることにしました。黄色のボードに乗っているのが中谷さんと容器に入った子ガメたち。

世界を目指して頑張っているプロサーファー田岡なつみさん。子ガメたちが大海原で無事育っていくことを願って旅立ちさせています。

                                
子ガメたちの一部は、しばらくロングボードの板の上を歩きながら、旅立っていきました。

数匹は砂浜から子ガメたちを旅立ちさせました。

中央の第一発見者中谷恵子さんの説明を受けている渡部さん(外房ウミガメ情報交換会代表、一宮ウミガメを見守る会代表)。

中谷さんは昨日の夜、9月17日の朝も子ガメたちがこの周辺を徘徊していないかと捜索しました。合計3匹見つけました。従いましてこの三日間で41匹の子ガメの救出に成功しました。
*ここはいすみ市のウミガメ産卵調査外でありますが、いすみ市ですので、9月18日朝、農林水産課の荘司さんに報告しておきました。お聞きしたところ、今年はいすみ市の大原海水浴場から、雀島付近までの間で、親亀の上陸43,4回、30回以上の産卵が確認されたようです。又、一宮の太東から一宮海岸までのエリアでは、一宮うみがめを見守る会の渡部さんによると、32回の上陸、23箇所(9月6日現在)の産卵が確認されたそうです。
                                                                                                            白いコウモリより

2012年8月3日金曜日

やぶたの生き物たち

 4年くらい放置されていた田んぼを、10人くらいでやっています。1年目は緑米を収穫しました。2年目は不耕起、冬水田んぼ、無農薬、無肥料、手植えでやっています。昨日、ハイイロゲンゴロウが多数見られました。ついでに他の生きものも撮影してみました。白いコウモリより
ハイイロゲンゴロウ

ハイイロゲンゴロウ

ギンヤンマ

ツバメ

アジアイトトンボ

コガムシ

                           チュウサギ

2012年7月31日火曜日

一宮の釣ヶ崎海岸でアカウミガメの産卵

昨日(7月30日)一宮の釣ガ崎海岸に行ってみましたら、アカウミガメ産卵の保護柵が立てられていました。早速、外房ウミガメ懇話会の代表をなさっている渡部さんに問い合わせしましたら、、先週の土曜日に産卵したということだそうです。

今年の一宮~東浪見にかけての産卵は、7月31日現在、17回くらいで、9回の産卵を確認しているそうです。いすみ市では、水産課に問い合わせたところ、26~7回、20箇所産卵を確認したそうです。太東ビーチ(一宮エリア)にも今年は産卵があったようです。
白いコウモリより

                  一宮釣ヶ崎海岸のウミガメの保護柵

ボディピット( 雌が産卵巣を掘る前に、前脚を使って作る比較的広く浅いくぽみ) 

渡部さんからの報告
太東海岸にウミガメの上陸2回あったそうです。一ヶ所は、お話した海の家(たなかや?)の前で、もう一ヶ所は、ドライブイン下で棒で目印を付けてあるとの話でした。
日本ウミガメ協議会への連絡によると、昨年は、太東海岸の側溝で子ガメが見つかったとのこと。太東海岸へもウミガメの上陸産卵があったのですね。今のところ誰か決まった人が見回りをしてはいないようです。いすみ市は、条例があるので、ここも監視しなければならないのかな?一宮も昨年東浪見海岸の南にも産卵があったという情報もあり、今年は一宮海岸から釣が崎海岸までを観察しています。そうしたら、なんと釣が崎に3ヶ所、その北の海岸(東浪見と釣が崎の間)にも3ヶ所産卵を確認しました。また、釣が崎の突堤を越えた太東海岸の一宮側にもUターンがありました。見ていなかっただけで、今までもこの辺りにも上陸産卵をしているのかもしれません。                        渡部明美              

いすみ市の水産課に再度確認しましたら、太東ビーチのウミガメの産卵は一宮エリアであると話していました。渡部さんの報告しているものがいすみ市が把握しているもと違うものかどうか、大藪の方で確認して見ようと思います。                  

2012年7月23日月曜日

中国内陸と台湾留学生が作成したサーフボードスタンド

 千葉大学院工学研究科、デザイン科学専攻、デザイン文化計画研究室(鈴木教授、植田教授)の中国内陸と台湾留学生5名が、7月13日、20日の2日間にかけて、和泉浦海岸に打ち上げられている流竹木を活用して、サーフボードを立てかけたり、ウエットスーツを掛けるスタンド兼掲示板(自然環境に関するニュースを掲示)を作成しました。完成した作品は、太東ビーチに設置されました。今後、このスタンドがサーファーの方々に利用され、兼掲示板としても自然保護のプロパガンダとして活用されていくのではないかと思っています。白いコウモリより

掲示板として:夷隅郡市自然を守る会の活動、サーファの方々の協力、活動が紹介されています

   
掲示板として:夷隅川河口、海岸に打ち上げられている流竹木の現状を紹介し、どうしてこのような状況になっているかを説明しています
                  
掲示板として:1回目の流竹木の採集、スタンド作成の様子が説明されています。
                              
1回目の作業後の記念撮影。サーフショップ「KENNY」の前にて。左から詹舒婷(センジョテイ)さん、張黎(チョウ レイ)さん、張頴(チョウ エイ)さん、ケニーさん、大藪、胡正軻(コ セイカ)さん、戴薪辰(タイ シンシン)さん

                      
和泉浦海岸に打ち上げられていた長い竹を短く切っています 
                  
スタンドの素材となる流竹木を一所懸命竹を運んでいます 

        
ビーチクリーンもしてくれました。流竹木を拾い、焼却するところに運んでくれるところです。感謝!感謝!感謝!                                    

        
2回目のこの日は雨が降っていました。そこで大藪宅のカーポートの下で作業をしました

スタンドが完成して、達成感で満面の笑みの留学生

                       
1回目の海岸での作業。ケニーさん(本名泉さん)実は日本人です。何かしら留学生にアドバイスを与えています
完成したサーフボードスタンドと5人の中国内陸と台湾留学生。太東ビーチ

左から3人目はウエットスーツ姿のケニーさん

サーファーの方々との記念撮影。海に遊びにきていた子供が私達の前を横切ろうとしています

プロサーファーケニーさんが留学生たちに華麗なライディングを披露してくれました。

波に挑戦するケニーさんの勇姿と愛用のサーフボード

  太東ビーチに押し寄せる荒波を背景に、ケニーさんと留学生の記念撮影

太東駅での記念写真。留学生の皆さん本当にお疲れさまでした。明後日の大学での発表会頑張ってください!とお別れしました

海の家「KIMIZUKA BEACHSIDE HOUSE」に利用されているスタンド。左はオーナーご夫人の君塚さん

留学生の皆さんの感想
 ☆台湾からの交換留学生です。交換留学生として、いすみ市の皆さんと一緒に活動したことは珍しい体験です。学校の授業でいすみ市の環境問題を認識し、その問題を解決することによって、いろいろ勉強になりました。楽しかったです。――詹舒婷(センジョテイ)
 ☆流竹木を利用して、物づくりをし、完成させることができたことは、すごく嬉しく思っています。
数回、いすみ海岸で作業をやったり、サーベイしたり、地元の人々と交流をしました。皆さんお疲れ様でした。日本の田舎を体験しました。本当に美しいところですねぇーーーー

今回の文化計画デザイン論を通して僕にとってはいい経験なりました。又、自分の人生のいい思い出になると思います。素晴らしい体験をさせていただきました。地元のみなさん!本当にありがとうございました。――胡正軻(コセイカ)
四回いすみの海岸をお邪魔して、海岸の天気というのが、急変することも分かるようになりました。初めて海岸へ行った時は雨も降り、寒くてたまらないでした。初めの海岸作業の時は三十度もあったので、日焼けで一皮むけました。二回の海岸作業を通して、地域の方々にご協力をいただいて、すごく勉強になりました。――戴薪辰(タイシンシン)
地域の人と直接連絡を取り合ってお会いし、活動して行くのは初めてでした。理解出来ない場合は優しく説明してくれましたし、いろいろなアドバイス、いい写真、お手伝いなどを頂き、心より感謝しています。今回の授業の収穫は、そのスタンドだけではなく、問題を解決していくにはどうすれば良いか、という術を身につけることもできました。人と人の心の絆も強くなりました。いすみ市の自然環境に対する大藪さんの気持ちも強く感じられました。そして、大藪さんとケニーさんのお力も受けた今回の活動が、流竹木の問題を少しでも解決していくことになれば嬉しいです。夷隅郡市自然を守る会のご協力本当にありがとう大藪さんの御蔭て、いすみ市の流竹問題についての調査を順調に進めることができました。初め、植田先生と一緒に大藪さんのお宅を伺いました。大藪さんは留学生の私たちにとても優しかったので、初対面の不安を徐々になくしていきました。日本語で喋った時に、分からない時は、いつも親切に教えてくれました。夷隅郡市自然を守る会のご協力本当にありがとうございました。張穎(チョウエイ) 
 
 いすみ市の流竹問題の厳しさは、予想より酷いです。問題を徹底的に解決するには、持続的な方法が必要ではないかと思いました。子供は未来ですから、子供を中心としたワークショップで、流竹を活用する活動を行おうと考えました。しかし、一ヶ月だけの期間でワークショップを実施するには、かなり無理だと思いました。みんなが困った時に、大藪さんがサポートでしてくれましたので、大変助かりました。時間が限られていましたが、大藪さんのアドバイスのお蔭で、二回で完成させることができました。ケニーさんとサーファーの人たちの嬉しい顔を見た時、納得しているんだなと実感しました。そして、胸の中に、言葉だけで表せない感動と喜びが一杯あります。 
 製作の過程中で、いろいろな困難に出会ったり、解決方法に悩んでいた時に、大藪さんの指導で解決することができました。
 いすみ市から戻って、もう一週間が経ちましたが、大藪さん、ケニーさん、それにみんなの笑顔がよく浮かびます。いすみ市の思い出は、私の人生の中でも、大切なものになりました。本当にありがとうございました。今後とも、ぜひよろしくお願いいたします。 張黎(チョウレイ)